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環境包装設計事例の紹介と解説

1枚3役の押えパット

今月の事例は、業務用厨房機器のゴトク押えパットの紹介です。パッと見、ただの抜きパットですが1枚で3つの機能を果たすすぐれものと考えています。

被包装品は、業務用のガステーブルになります。これには大型のゴトクが2ケ載っています。このゴトクが輸送中に動いて、その下に設置されるオイルパンにぶつかり傷をつけることがあるそうです。また、中央部のガスバーナー部が動いてしまうと、着火部のセンサーが壊れてしまうというものでした。
そこで、下図のようなパットを設計、これらの動きを1枚で押える仕様としました。

ゴトク押えパット 大 K5/BFゴトク押えパット 大 K5/BF

抜くと側の部分と中央部分に分かれます。側の部分の中の部分(ビーバーの歯のような部分)でオイルパンが入る際にきつくすることで固定します。次にゴトクを入れますが、側部分の4コーナーを内側に折り込み(写真 参照)、固定します。最後にガスバーナー部分ですが、中央から抜き取ったパットを筒状に折り込みます。するとその外周がゴトクの内側の円に合うようになります。これをゴトクとガスバーナーの間に入れることでガスバーナーが動くのを押えることができます。(押えるのはゴトクの重さ+梱包終了時にバンド掛けすることで対応します。)

写真1. ゴトク押え部分写真1
写真2. ガスバーナー押え写真2
写真3. 梱包終了時状態写真3

設計のポイントとしては、次の2点になると考えます。

(1)2つのパーツを本来捨てる部分で賄ったこと
(2)折り方の工夫で必要面積を押えることができた

結果、1枚のパットで3役こなすので管理もし易い単価も安い仕様とすることができたと考えています。

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