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環境包装設計事例の紹介と解説

小さい部品用の段ボールトレー

今月ご紹介するのは、細いパイプ状で、片側の端からケーブルが2本出ている部品用の段ボールトレーの事例になります。この設計に際し、出されました条件は次のようなものでした。

  1. 1100 × 1100 パレットへの組付けを考慮した外装ケースであること。
  2. 入り数は可能な限り多く入れること。
  3. 2のとき、1ケースの重量が15kgを超えないこと。
  4. 被包装品は横置きとし、ケーブルを固定できる形状であること。

設計は通常、積載を考慮した外装ケースの大きさを割り出すことから始めますが、今回はトレーの形状が難しいことが予想されましたので、トレーの仕様を決めることから始めました。

まず、問題となったのが被包装品が細いため、横置きの場合の仕切りの高さが10mmに満たないことでした。このままでは、仕切りはおろかトレー自体が成立しなくなります。そこで、【写真1】のような高さ方向をかせぐ仕様にて段ボールトレーが可能であると考えられる高さを設定、これに合わせて他の条件をクリアする仕様へ展開していきました。

写真1. 高さをかせぐ仕様写真1
写真2. 段ボールトレー写真2
写真3. 大きさの違うトレー写真3

※化成品の成型トレー等に比べると、初期の金型費の節約になると考えます。また、仕様の変更に対する小回りも効くと考えます。

このトレーに被包装品を入れると先端部分は折り込んで作る空間部分にあたります。その反対方向はケーブルを固定するパットの壁にあたるようになります。結果、被包装品をトレーの中で固定することができました。
 後は、被包装品の重量とおおよその段ボールの重量を算出し、15kgを超えない入り数を設定、外装段ボールの寸法を算出しながら、パレットへの積載効率を算出しました。
 この提案にて仕様はほぼOKとなり、現在輸送試験等の評価待ちの状態になります。

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